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なぜ板金塗装はなくならない?自動運転時代でも「修理のプロ」が必要な5つの理由2025.11.17

「自動運転レベル5が実現すれば、事故はゼロになる」…そんな未来が語られる今、「事故を修理する『板金塗装』の仕事は、いつかなくなるのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。

しかし、結論から言えば、板金塗装の仕事がなくなる可能性は極めて低いです。

むしろ、技術が進化するほど「プロの板金塗装技術」の価値は高まると予測されます。この記事では、自動運転が普及しても板金塗装がなくならない、明確な5つの理由を解説します。

1. そもそも「事故ゼロ」の実現は極めて困難だから

自動運転技術がどれほど進化しても、路上を走る車が関わる「不測の事態」をゼロにすることはできません。

① システムが完璧ではない

自動運転レベル4や5が普及したとしても、AIの誤作動、センサーの故障、ソフトウェアのバグ、あるいは悪意のあるハッキングによって事故が誘発される可能性は残ります。

②「自動運転車」と「人間」の混在

自動運転車だけが走る世界になれば事故は減るかもしれませんが、その過渡期は非常に長く続きます。レベル2や3の「運転支援」の車と、レベル0の「人間が運転する車」や「歩行者・自転車」が混在する交通環境では、ヒューマンエラーによる事故はなくなりません。

③ 予期せぬ自然災害

どれだけシステムが優秀でも、台風による飛来物、地震による落下物、ゲリラ豪雨による水没、雹(ひょう)によるへこみなど、自然災害が引き起こす車の損傷を防ぐことはできません。

2. 事故以外の「キズ・へこみ」の需要が常にあるから

板金塗装の仕事は、大きな「事故」の修理だけではありません。日常的に発生する小さな損傷のほうが、むしろ件数は多いのです。

① 飛び石

高速道路やバイパスを走る以上、前の車が跳ね上げた「飛び石」によるボンネットやフロントガラスのキズは避けられません。自動運転になっても、道路を走る限りこのリスクは続きます。

② 駐車場での不意な損傷

スーパーの駐車場での「ドアパンチ(隣の車のドアが当たる)」や、ショッピングカートの接触、狭い場所での擦りキズ、子供のイタズラによるキズなど、車が停止している間に受ける損傷は後を絶ちません。

③ 経年劣化の補修

車は機械であると同時に、屋外で風雨にさらされる工業製品です。太陽光(紫外線)による塗装の色あせ、酸性雨によるシミ、金属部分の「サビ(錆)」など、時間と共に起こる劣化を元に戻す「補修」の需要は常になくなりません。

3. 「修理」から「美観・価値の維持」へと仕事が進化するから

板金塗装の技術は、「元に戻す」ネガティブな需要だけでなく、「より良くする」ポジティブな需要にも応えています。

① カスタム・全塗装(オールペン)

「他人とは違う色の車に乗りたい」というニーズに応える全塗装や、「エアロパーツ」の取り付け・塗装といったカスタム分野は、AIには代替できない「センス」や「技術」が求められる領域です。

② レストア(旧車再生)

何十年も前のクラシックカーを新車同様に蘇らせる「レストア」は、板金塗装技術の集大成です。車が文化である限り、こうした「価値の再生」に対する需要は、むしろ高まっています。

4. 車の構造が複雑化し「より高度な技術」が必要になるから

実は、自動運転やEV(電気自動車)の普及は、板金塗装の仕事を**「誰でもできる仕事」から「専門性の高いプロの仕事」へ**と進化させます。

① センサー類の精密な修理

現代の車には、バンパーやフロントガラス、ドアミラーの内部に、自動ブレーキ用のカメラやレーダー、センサー(LiDAR)が多数内蔵されています。

これらは数ミリのズレも許されません。板金塗装でバンパーを修理した後、これらのセンサー類を元通り正確に再設置し、調整(エーミング作業)する技術が不可欠です。これは素人には絶対に真似できない領域です。

② 新素材への対応

燃費向上のための「超高張力鋼板(ハイテン)」や「アルミ」、EVのバッテリーを保護するための特殊なフレーム構造、CFRP(カーボン)など、車の素材は日々進化しています。

これらの新素材は、従来の鉄板とは修理方法が全く異なります。素材の特性を理解し、専用の機材を使いこなせる、知識と技術を持った板金塗装工場でなければ、修理そのものができなくなっています。

5.「車を所有する」という文化が続く限り必要だから

車が「移動する道具」であると同時に、「資産」であり「趣味」である限り、その価値を守りたいというニーズはなくなりません。

「車をキレイな状態で保ちたい」「キズついた愛車を元通りにしてほしい」というオーナーの想いがある限り、その受け皿となる板金塗装の技術は必要とされ続けます。

まとめ:板金塗装はなくならない。むしろ「車の医者」として進化する

自動運転の普及で、たしかに「大きな事故」は減っていくかもしれません。 しかし、その一方で「飛び石」や「イタズラ」、「経年劣化」といった日常の損傷はなくならず、むしろ車のハイテク化・新素材化によって「修理の難易度」は上がっています。

板金塗装の仕事は、単純作業から「車の構造と電子機器を理解し、新素材を扱う専門知識を持った『車の医者』」へと進化しているのです。



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